委員会の参考人招致で「地域包括ケア」を学ぶ

5月29日に開催した福祉環境委員会では
参考人として国際医療福祉大学教授の高橋綋士先生をお呼びして
「地域包括ケア」についてご講演をお聴きしました。
これからの介護保険制度の改変に伴い、施設での介護から
地域で介護予防から看取りまでの支援体制(地域包括ケア)の構築の必要性が提起されているのが現状です。
高橋先生のお話の要旨
・給付を増やす支援だけではダメ。未来の選択肢を減らしている。
・これまでは特別養護老人ホームなど施設を増やすばかりの政策。
これからはもっと施設を大切に使わなければならない。
・認知症の人だけを集めてはダメ。年代も多様な地域がよい。
・保護とお世話だけでは認知症は進行する。モチベーションを上げる支えが必要。
・介護や医療のプロだけではなく玄人はだしの素人の能力を活かす。
一般に介護保険制度の今後に関しては
介護需要の増大による財政の危機の面から制度改革が語られることがほとんどですが、
高橋先生は「施設に要介護の人だけ集めると症状が悪化する」ことに目を向け、
地域で多様な人材が支援することによる、高齢者の幸福の面から語られていることが新鮮でした。
このような視点から制度設計をしていけば介護の未来は決して暗いものではないと感じられました。
必要なのは制度設計側と利用者側、双方の意識改革です。
地域の支援の能力は、神戸は既に高いものがあります。
今朝のあるふれあい喫茶でも
偶然となりに座っておしゃべりしたご婦人は
施設のビラを持ってきたあんしんすこやかセンターの職員さんに
「介護のお世話にならないよう、健康づくりなど予防の取り組みをたくさんしてほしい。
そういう教室があったらぜひ参加します」と熱心に要望されていました。
ふれあい喫茶自体、地域で支えあう素晴らしい仕組みですし
その参加者もこれだけ意識が高い。
この地域力を活かす取り組みをと、開眼させていただけた参考人聴取でした。