6月議会で一般質問
6月13日から6月28日まで神戸市会第1回定例市会の6月議会が開かれました。

27日の一般質問に登壇いたしました。
以下、要旨です。
1.切れ目の無い子育て支援
⑴妊活の情報発信
不妊治療の保険適用が開始され、いわゆる「妊活」を検討される方は増えると思われるが、妊活や不妊治療の実態や必要性は広く正しく理解されているとは言えない。行政による情報発信は、治療費の助成事業等の制度の周知にとどまり、少子化が社会問題となって久しいにも関わらず、妊活等への認識や支援は未だ不十分だ。子供を授かりたい方がその機会を逃すことが無いように、また妊活をどもを授かるための明るく前向きなものとして捉える社会的風土の醸成に向けて、他都市のモデルとなるような情報発信を検討すべきではないか。
A.(久元市長)
さんちか花時計ギャラリーでの掲示、あるいは市職員全員が閲覧する人権シートへの記載、ハッピーパックでの啓発、など細々としたものにとどまっており、情報発信の充実が必要だ。
今年度は市内の約100の企業が参加する健康創造都市神戸推進会議を通じて、不妊治療しやすい職場環境や妊娠に関する情報発信を行っていく。
今後はさらに、市のホームページや広報紙への掲載など、多様なツールを用いて情報発信の強化を図っていきたい。
⑵職員の育休取得
神戸市で令和2年度中に子供が生まれた男性職員のうち、育児休業を取得した方は約22%。その期間は、国家公務員や民間企業の統計と比べれば長期間取得できているが、半数は1ヶ月までの取得である。産後の体力回復が必要かつ睡眠や食事をとることすら難しい新生児の育児の時期に、1、2週間の育児休業では家庭の戦力にはならない。育児休業を取ればいいというものでは無くできるだけ長期間取得するのでなければ意味が無い。多くの男性職員が長期の育児休業を取得する先進的モデルとなり、民間企業へ波及するようリードしていくべきではないか、見解を伺いたい。
A.(久元市長)
男性の育児休業取得率の向上には組織風土醸成や育職場環境の整備のため、仕事と子育ての両立を上司が応援するプログラムを進めている。令和4年度には子が生まれる全職員への面談を義務化することとした。その他管理職研修や、育児休暇の取得促進を人事評価にに反映するなどしてきた。先般、私から全職員に対し、男性職員の育児休業取得促進に係るメッセージをdesknet’sに掲載をしたところだ。今後は、育児休業の取得回数制限の緩和や請求期間の短縮などの制度改正も予定している。
(再質問)男性への子育て情報の発信
子育てを応援する施策は母親だけに向けたものではないが、子育ては母親が主体という社会通念が根強い。子育て応援ウェブサイト「ママフレ」は、もっぱら女性が利用することを想定したサイトとなっている。家族が家事・育児に非協力的で、不安や疲労にさいなまされる環境では、育児にネガティブな感情を持ってしまい、とても次の妊娠を望むような気持ちになれない。少子化の克服のためには、妊娠・出産や子育てに父親も母親も、ともに主体的に関わるのがあたりまえになってほしい。今年度、ママフレのサイトの再構築を実施しているところだが、男性が閲覧したくなるものに、また閲覧して役立つ内容にしていくべきだと考えるが、見解を伺いたい。
A.(小原副市長)
社会全体の動きを後押ししていくために、例えばこうべ子育て応援メールではこれまでのご指摘も踏まえ、父親にも読んでもらえるよう、母子健康手帳への挟み込みチラシにパパにもおすすめと明記しPRするとともに、例えば、今年の3月に開設したスマートこうべでは父親も念頭に、妊娠中の母親の体調の変化、出産後の関わり方などをまとめたみんなの子育て応援ページなどを新設している。
子育て応援サイトママフレは、子育てする方全ての方が必要とする情報に到達しやすいようにリニューアルを検討しているところで、コンテンツの検討に際し、父親や母親が楽しく子育てする様子の発信、また男女の区別なく共同して取り組めるような支援情報を盛り込むなどの形で様々な方に利用いただけるように努めたい。
2.長田区の活性化について
⑴新長田南再開発地区
新長田駅南側の再開発地区において、令和元年10月に県との協働により新長田合同庁舎が供用開始し、地域のシンボルとして、昼間人口の増加など同地区の活性化に資するものと期待された。現在、庁舎移転の効果についてどのように分析しているのか。また、再開発ビルでは「ロピア」が新たに出店し賑わっているが、今後は周辺店舗への集客や、空店舗への新たなテナント誘致など、ロピアを核として効果が波及する取り組みが必要だが、見解を伺う。
A.(久元市長)
合同庁舎の建設発表以降、国道2号以南のアスタくにづか地区では、飲食系テナントを中心に入居が進み、現在では88件(6月1日時点)の新規入居があり、中には託児所つきの業務施設であるママスクエア子育て支援施設KITなど、新たな業種も進出をした。
庁舎移転を契機として発足した新長田合同庁舎地域連携会議では、地域団体と共同での地域環境活動、緑化や清掃活動、まち歩きツアーの実施などの取り組みが進められている。
さらに、5月のロピア出店以降、周辺店舗からは人通りが増え、売上げが上がったなどの声が聞かれ、好影響が出ている。これを好機と捉え、ロピアと周辺店舗を巻き込んだキャンペーンの開催や、街なかにテーブルやベンチを設置するなど、滞在時間を延ばす取組を検討している。テナント誘致ではこれまでアプローチしてこなかった新たなテナントや子育て世代をターゲットとするテナントの誘致にも積極的に取り組んでいきたい。今後、新長田駅南地区では、病院、分譲マンションの複合建物や県立総合衛生学院の進出、西市民病院の移転により、夜間・昼間人口の増加が見込まれることに加え、駅前広場のバスロータリー整備で拠点性や交通利便性が向上する。新長田のまちのたたずまいはこれから大きく変わるが、間違いなく活性化できるように全力で取り組みたい。
⑵番町地区
番町地区の地域改善住宅においては、地区内募集として1年間当該地域に居住することを入居の応募資格としている。この制度により入居資格を得るためだけに、短期間だけ地区内のアパート等を斡旋する業者が横行しているとも聞いているが、こうした形態が増えるだけでは市住の空きは埋まっても、地域の活性化に寄与しない。地域からは若年世帯の入居を求める声が上がっており、今年5月より、当該地区内の地域改善住宅の一部で一般募集を開始しているが、地域活性化の観点からさらに一般募集化を進めるべきと考えるがどうか。
A.(油井副市長)
地域改善向け住宅も、地元からの地域コミュニティを活性化するために、若年世帯の入居を求める声が上がっている。令和3年度に神戸市地域改善まちづくり協議会と地域改善向け住宅の一般募集化に向けた調整を行い、令和4年5月の定時募集から一般募集を開始した。地域の活性化の観点から、8月の定時募集以降にも若年、子育て世帯向け住宅の募集を設定するなど一般募集をさらに進めたい。
(再質問)番町地区のエリアマネジメント
番町地区では市が所有し、空き地のまま未利用の土地が複数ある。また西市民病院移転・再整備後の跡地をどのように利用するのかも課題だ。人口が減少傾向にあるエリアである一方、複数の駅に近く、フラットな地形でポテンシャルの高い地域と考える。地下鉄長田駅での駅前空間の再整備の動きと連動し、魅力的な住環境づくりが必要不可欠だが、エリア全体をマネジメントする視点で、現病院の跡地及び周辺未利用地の利活用等も含め、一体的にまちづくりの方向性を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。
A.(今西副市長)
ご指摘のように市が所有する未利用地が点在しており、これら貴重なストックを活用するに当たっては、地域主体のまちづくりを進め、エリア全体の魅力を向上していくことが重要である。
例えば、四番町5丁目の市営住宅の跡地では一部広場として整備し、三番町3丁目の市有地は緑豊かな広場として整備をし、ふれまち協議会に活用いただいている。
長田駅では地域の方々と連携して再整備の検討を進めさせていただいているところだが、地域全体のまちづくりの機運醸成を図りながら、さらなる未利用地の活用など魅力的な住環境につながるように一体的に取り組みたい。
3.王子公園の再整備
王子公園再整備では昨年公表された基本方針に対し寄せられた多くの市民意見をを踏まえて新たな「市の考え方」と「王子公園内の施設の方向性」が示された。駐車場の位置や、廃止する施設の見直し、また原田の森と親しまれてきた歴史を生かした緑の景観づくりなど、会派からの要望が反映され、一定の評価をしている。しかし老朽化したまま放置してきた施設の再整備の必要性が十分に市民に伝わっているのか、依然として不安を感じる。特に、大学誘致の人口や経済面からのメリットは言うまでもないが、地域の方も大学の施設を利用できたり、大学生が地域でボランティア活動を行うなど、貢献が期待できる。このようなメリットについて具体的に発信していくべきではないか。
A.(久元市長)
王子公園の再整備では市域全体と近隣地域への貢献の両立が重要という意味で、大学の誘致は非常に有力な施策と考えている。
大学にとっても優秀な入学者の確保が課題で、大都市中心部への立地に高い関心が寄せられている。
大学の立地により若年人口の流入、定着、優秀な人材の確保、育成、輩出、イノベーション機能の強化、国際性・多様性の創出による都市ブランドの向上、地域経済への高い効果が期待できる。また、学生の地域活動への参加による地域課題の解決や担い手不足の解消のほか、学び直し、リカレント教育の機会の提供なども期待できる。さらに、産学連携による地元企業の成長、スタートアップ強化による雇用創出など、競争力のある大学の存在が不可欠だ。
3,500人規模の大学を誘致した場合の経済効果は直接効果を約90億円、総合効果は約135億円と試算できる。
一方で、このような大学誘致の意義や効果を、市民に十分伝え切れていない。意見交換などを通し、丁寧に説明するとともに、市民意見や検討状況も、広報紙こうべや市ホームページなどを活用しお知らせをしていきたい。
併せて、よくある質問や、市が正確に伝え切れていない情報などを、FAQとして示すなど、市民がアクセスしやすく、分かりやすい形式での情報発信に引き続き努める。
(再質問)動物園の基本構想の策定
動物園が再整備の犠牲になるような、間違った情報が流布しているのは、今後の展示の方針が示されていないことも原因だ。当初示された面積が縮小するゾーニングに反応が集まったが、国際的な情勢から、絶滅が危惧される野生動物を新たに迎えるのは現実的には難しいこと、現在空いたままの展示スペースがあることからも、必ずしも面積が広ければよいわけではない。本来であれば今後の動物園が目指す具体的な飼育、繁殖計画があって、面積が決まっていく。早期に明確な基本構想を市民に示していただきたいが、どうか。
A.(油井副市長)
リニューアルの基本となる動物園の理念や長期的な方向性といった内容の基本構想を、現在、有識者や飼育員、獣医師等の職員の意見を参考にしながら検討を進めている。具体的な再整備計画については、王子公園再整備基本方針でゾーニングが確定した後、検討していくことになるが、基本計画では、どのような種類の動物を飼育していくのかを決めるコレクションプランをはじめ、動物福祉にも配慮した獣舎の配置、展示方法、園内の設備やレクリエーションの機能などの内容を想定をしており、市民やサポーター等の御意見も伺いながら進めていきたい。
できるだけ早く市民が動物園の再整備の内容をイメージできることは重要と考えており、早期の基本計画策定に努めてまいりたい。

27日の一般質問に登壇いたしました。
以下、要旨です。
1.切れ目の無い子育て支援
⑴妊活の情報発信
不妊治療の保険適用が開始され、いわゆる「妊活」を検討される方は増えると思われるが、妊活や不妊治療の実態や必要性は広く正しく理解されているとは言えない。行政による情報発信は、治療費の助成事業等の制度の周知にとどまり、少子化が社会問題となって久しいにも関わらず、妊活等への認識や支援は未だ不十分だ。子供を授かりたい方がその機会を逃すことが無いように、また妊活をどもを授かるための明るく前向きなものとして捉える社会的風土の醸成に向けて、他都市のモデルとなるような情報発信を検討すべきではないか。
A.(久元市長)
さんちか花時計ギャラリーでの掲示、あるいは市職員全員が閲覧する人権シートへの記載、ハッピーパックでの啓発、など細々としたものにとどまっており、情報発信の充実が必要だ。
今年度は市内の約100の企業が参加する健康創造都市神戸推進会議を通じて、不妊治療しやすい職場環境や妊娠に関する情報発信を行っていく。
今後はさらに、市のホームページや広報紙への掲載など、多様なツールを用いて情報発信の強化を図っていきたい。
⑵職員の育休取得
神戸市で令和2年度中に子供が生まれた男性職員のうち、育児休業を取得した方は約22%。その期間は、国家公務員や民間企業の統計と比べれば長期間取得できているが、半数は1ヶ月までの取得である。産後の体力回復が必要かつ睡眠や食事をとることすら難しい新生児の育児の時期に、1、2週間の育児休業では家庭の戦力にはならない。育児休業を取ればいいというものでは無くできるだけ長期間取得するのでなければ意味が無い。多くの男性職員が長期の育児休業を取得する先進的モデルとなり、民間企業へ波及するようリードしていくべきではないか、見解を伺いたい。
A.(久元市長)
男性の育児休業取得率の向上には組織風土醸成や育職場環境の整備のため、仕事と子育ての両立を上司が応援するプログラムを進めている。令和4年度には子が生まれる全職員への面談を義務化することとした。その他管理職研修や、育児休暇の取得促進を人事評価にに反映するなどしてきた。先般、私から全職員に対し、男性職員の育児休業取得促進に係るメッセージをdesknet’sに掲載をしたところだ。今後は、育児休業の取得回数制限の緩和や請求期間の短縮などの制度改正も予定している。
(再質問)男性への子育て情報の発信
子育てを応援する施策は母親だけに向けたものではないが、子育ては母親が主体という社会通念が根強い。子育て応援ウェブサイト「ママフレ」は、もっぱら女性が利用することを想定したサイトとなっている。家族が家事・育児に非協力的で、不安や疲労にさいなまされる環境では、育児にネガティブな感情を持ってしまい、とても次の妊娠を望むような気持ちになれない。少子化の克服のためには、妊娠・出産や子育てに父親も母親も、ともに主体的に関わるのがあたりまえになってほしい。今年度、ママフレのサイトの再構築を実施しているところだが、男性が閲覧したくなるものに、また閲覧して役立つ内容にしていくべきだと考えるが、見解を伺いたい。
A.(小原副市長)
社会全体の動きを後押ししていくために、例えばこうべ子育て応援メールではこれまでのご指摘も踏まえ、父親にも読んでもらえるよう、母子健康手帳への挟み込みチラシにパパにもおすすめと明記しPRするとともに、例えば、今年の3月に開設したスマートこうべでは父親も念頭に、妊娠中の母親の体調の変化、出産後の関わり方などをまとめたみんなの子育て応援ページなどを新設している。
子育て応援サイトママフレは、子育てする方全ての方が必要とする情報に到達しやすいようにリニューアルを検討しているところで、コンテンツの検討に際し、父親や母親が楽しく子育てする様子の発信、また男女の区別なく共同して取り組めるような支援情報を盛り込むなどの形で様々な方に利用いただけるように努めたい。
2.長田区の活性化について
⑴新長田南再開発地区
新長田駅南側の再開発地区において、令和元年10月に県との協働により新長田合同庁舎が供用開始し、地域のシンボルとして、昼間人口の増加など同地区の活性化に資するものと期待された。現在、庁舎移転の効果についてどのように分析しているのか。また、再開発ビルでは「ロピア」が新たに出店し賑わっているが、今後は周辺店舗への集客や、空店舗への新たなテナント誘致など、ロピアを核として効果が波及する取り組みが必要だが、見解を伺う。
A.(久元市長)
合同庁舎の建設発表以降、国道2号以南のアスタくにづか地区では、飲食系テナントを中心に入居が進み、現在では88件(6月1日時点)の新規入居があり、中には託児所つきの業務施設であるママスクエア子育て支援施設KITなど、新たな業種も進出をした。
庁舎移転を契機として発足した新長田合同庁舎地域連携会議では、地域団体と共同での地域環境活動、緑化や清掃活動、まち歩きツアーの実施などの取り組みが進められている。
さらに、5月のロピア出店以降、周辺店舗からは人通りが増え、売上げが上がったなどの声が聞かれ、好影響が出ている。これを好機と捉え、ロピアと周辺店舗を巻き込んだキャンペーンの開催や、街なかにテーブルやベンチを設置するなど、滞在時間を延ばす取組を検討している。テナント誘致ではこれまでアプローチしてこなかった新たなテナントや子育て世代をターゲットとするテナントの誘致にも積極的に取り組んでいきたい。今後、新長田駅南地区では、病院、分譲マンションの複合建物や県立総合衛生学院の進出、西市民病院の移転により、夜間・昼間人口の増加が見込まれることに加え、駅前広場のバスロータリー整備で拠点性や交通利便性が向上する。新長田のまちのたたずまいはこれから大きく変わるが、間違いなく活性化できるように全力で取り組みたい。
⑵番町地区
番町地区の地域改善住宅においては、地区内募集として1年間当該地域に居住することを入居の応募資格としている。この制度により入居資格を得るためだけに、短期間だけ地区内のアパート等を斡旋する業者が横行しているとも聞いているが、こうした形態が増えるだけでは市住の空きは埋まっても、地域の活性化に寄与しない。地域からは若年世帯の入居を求める声が上がっており、今年5月より、当該地区内の地域改善住宅の一部で一般募集を開始しているが、地域活性化の観点からさらに一般募集化を進めるべきと考えるがどうか。
A.(油井副市長)
地域改善向け住宅も、地元からの地域コミュニティを活性化するために、若年世帯の入居を求める声が上がっている。令和3年度に神戸市地域改善まちづくり協議会と地域改善向け住宅の一般募集化に向けた調整を行い、令和4年5月の定時募集から一般募集を開始した。地域の活性化の観点から、8月の定時募集以降にも若年、子育て世帯向け住宅の募集を設定するなど一般募集をさらに進めたい。
(再質問)番町地区のエリアマネジメント
番町地区では市が所有し、空き地のまま未利用の土地が複数ある。また西市民病院移転・再整備後の跡地をどのように利用するのかも課題だ。人口が減少傾向にあるエリアである一方、複数の駅に近く、フラットな地形でポテンシャルの高い地域と考える。地下鉄長田駅での駅前空間の再整備の動きと連動し、魅力的な住環境づくりが必要不可欠だが、エリア全体をマネジメントする視点で、現病院の跡地及び周辺未利用地の利活用等も含め、一体的にまちづくりの方向性を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。
A.(今西副市長)
ご指摘のように市が所有する未利用地が点在しており、これら貴重なストックを活用するに当たっては、地域主体のまちづくりを進め、エリア全体の魅力を向上していくことが重要である。
例えば、四番町5丁目の市営住宅の跡地では一部広場として整備し、三番町3丁目の市有地は緑豊かな広場として整備をし、ふれまち協議会に活用いただいている。
長田駅では地域の方々と連携して再整備の検討を進めさせていただいているところだが、地域全体のまちづくりの機運醸成を図りながら、さらなる未利用地の活用など魅力的な住環境につながるように一体的に取り組みたい。
3.王子公園の再整備
王子公園再整備では昨年公表された基本方針に対し寄せられた多くの市民意見をを踏まえて新たな「市の考え方」と「王子公園内の施設の方向性」が示された。駐車場の位置や、廃止する施設の見直し、また原田の森と親しまれてきた歴史を生かした緑の景観づくりなど、会派からの要望が反映され、一定の評価をしている。しかし老朽化したまま放置してきた施設の再整備の必要性が十分に市民に伝わっているのか、依然として不安を感じる。特に、大学誘致の人口や経済面からのメリットは言うまでもないが、地域の方も大学の施設を利用できたり、大学生が地域でボランティア活動を行うなど、貢献が期待できる。このようなメリットについて具体的に発信していくべきではないか。
A.(久元市長)
王子公園の再整備では市域全体と近隣地域への貢献の両立が重要という意味で、大学の誘致は非常に有力な施策と考えている。
大学にとっても優秀な入学者の確保が課題で、大都市中心部への立地に高い関心が寄せられている。
大学の立地により若年人口の流入、定着、優秀な人材の確保、育成、輩出、イノベーション機能の強化、国際性・多様性の創出による都市ブランドの向上、地域経済への高い効果が期待できる。また、学生の地域活動への参加による地域課題の解決や担い手不足の解消のほか、学び直し、リカレント教育の機会の提供なども期待できる。さらに、産学連携による地元企業の成長、スタートアップ強化による雇用創出など、競争力のある大学の存在が不可欠だ。
3,500人規模の大学を誘致した場合の経済効果は直接効果を約90億円、総合効果は約135億円と試算できる。
一方で、このような大学誘致の意義や効果を、市民に十分伝え切れていない。意見交換などを通し、丁寧に説明するとともに、市民意見や検討状況も、広報紙こうべや市ホームページなどを活用しお知らせをしていきたい。
併せて、よくある質問や、市が正確に伝え切れていない情報などを、FAQとして示すなど、市民がアクセスしやすく、分かりやすい形式での情報発信に引き続き努める。
(再質問)動物園の基本構想の策定
動物園が再整備の犠牲になるような、間違った情報が流布しているのは、今後の展示の方針が示されていないことも原因だ。当初示された面積が縮小するゾーニングに反応が集まったが、国際的な情勢から、絶滅が危惧される野生動物を新たに迎えるのは現実的には難しいこと、現在空いたままの展示スペースがあることからも、必ずしも面積が広ければよいわけではない。本来であれば今後の動物園が目指す具体的な飼育、繁殖計画があって、面積が決まっていく。早期に明確な基本構想を市民に示していただきたいが、どうか。
A.(油井副市長)
リニューアルの基本となる動物園の理念や長期的な方向性といった内容の基本構想を、現在、有識者や飼育員、獣医師等の職員の意見を参考にしながら検討を進めている。具体的な再整備計画については、王子公園再整備基本方針でゾーニングが確定した後、検討していくことになるが、基本計画では、どのような種類の動物を飼育していくのかを決めるコレクションプランをはじめ、動物福祉にも配慮した獣舎の配置、展示方法、園内の設備やレクリエーションの機能などの内容を想定をしており、市民やサポーター等の御意見も伺いながら進めていきたい。
できるだけ早く市民が動物園の再整備の内容をイメージできることは重要と考えており、早期の基本計画策定に努めてまいりたい。