熊森協会2010年度総会

日本熊森協会の第13回総会に出席しました。
●日本熊森協会とは…
熊をはじめとするあらゆる生物が生息できる、豊かな日本の奥山の復元・保全に取り組んでいる自然保護団体。
近年、人里にまで熊が出没したり、鹿や猿が畑を荒らすといった野生動物による被害が多く聞かれます。
「野生動物が増えて困る」と捉え、とにかく駆除すればよいということになりがちです。
しかし、なぜ野生動物が人里に現れるのか。
それは、本来の生息地である奥山が開発で破壊されたり、
また人工林が放置されてきた結果えさとなる広葉樹や下草のない森となっているからです。
このような原因を知ると、生物の暮らせる豊かな森の必要性を理解できます。
私も日本熊森協会を通じ、奥山保全について学ぶことができました。

今年の記念講演は、名古屋大学理学部 佐藤紳司先生による「北方針葉樹林 千年のものがたり」。
氷河が大地を削って海に流れたあと、新しい大地が生まれ、一から森が育つ。
氷河周辺では森が誕生してから極相林となるまでの数千年の植生の遷移が観察できるそうです。
神秘的な極相林の写真を見せていただき、自然の凄みを感じました。
自然の営みは人のものさしでは測りしれないものと知り保全に望まなければ、
自己満足の不自然な行動になってしまうのではと、
参加者を謙虚な気持ちにさせてくれる講演でした。